写真展のタイトルは、「The World in London」というものです。ロンドンは一説によると300以上の言語が話されています。それぐらい世界中から移民を受け入れているのです。ですので、3年かけて、ここでも204の国と地域からロンドンにやってきた移民のポートレートを撮って写真展をしようということが行われました。
3年間かけても、モデルになってくれる移民が見つからない国がありました。小さくて恐縮ですが、スライドの下の方に白抜きの人型のポスターがあります。
これはマーシャル諸島(MHL)からの移民が見つからなかったためで、ポスターに何と書いてあるかといいますと、「Are you from Marshall Islands?」と書いてあるわけです。
「もしあなたがマーシャル諸島から来た方なら、ここに電話してください。そうしたら、ここにあなたの写真を展示します」と書いてあります。
この写真展はヴィクトリア・パークでも行われて、日本人を探したら、いました。JPNと書かれているのですが、写真の下には小さなQRコードがありまして、それをスマートフォンで読み込みますと、この写真展を企画したフォトグラファーズ・ギャラリーのホームページに行きます。
この方はHisako Ikedaさんということがわかり、なぜロンドンに来たかが書かれていて、彼女の声で聞くこともできます。世界中からアスリートがやって来るオリンピックに合わせた優れた企画だったと思います。
パラリンピックに関連して、「UNLIMITED」という障害のあるアーティストによる大規模なフェスティバルが行われました。そのアイコンになったのが、スー・オースティンというアーティストです。
彼女は足が悪いのですが、パフォーマンスをしています。それで、水中でパフォーマンスをするという挑戦をしたわけです。車椅子で水中に潜るのは大変危険なのですが、逆に体重が軽く感じて自由に体を動かせます。そこで特別な車椅子を開発して、このような美しい海で踊って、それを映像作品として残しました。
オリンピックが終わった後、彼女は空中でのパフォーマンスにもチャレンジして、車いすにパラグライダーを付けてパフォーマンスを行っています。そして、彼女の将来の目標は宇宙でパフォーマンスをすることです。もう既にNASAと交渉を始めているというふうに伺いました。
オリンピックのときに、障害のあるアーティストの創造力の可能性が無限大であることを表現し、それをオリンピックが終わった後も追求し続けているというのがスーさんの取り組みです。
次に、ちょっと面白い「Tate Blackout」というイベントをご紹介します。Tateというのはロンドンにある世界最大規模の現代美術館で、発電所を改修したものなのですが、そこでオラファー・エリアソンがLittle Sunというプロジェクトを発表しました。