今、申し上げましたとおり、外国の方が日本で大量に爆買いするようなことで、メディア等で盛んに話題になったのは昨年です。今年の大手百貨店等の発表によりますと、この爆買いが若干下火になったというお話も聞かれますが、一方で多くの外国人が東京や大阪あるいは京都のみならず、地方に直接周遊に出るようになってきております。
最近、旅行会社の方とお話しする機会があったのですけれども、中国から日本に来られるお客さまの人気のツアーを聞きました。
今までは東京の銀座あるいは新宿、秋葉原などに行って、大量にブランド品や化粧品といったものを買い付けていた方々が、徐々にリピーターが増えてきて、日本のおいしいもの、あるいは良い土産品を求めて地方を周遊するようになってきたそうです。
最近の中国人旅行客の人気ツアーナンバーワンは田植えだそうです。
中国にも田んぼがたくさんあるではないかと私も思うのですが、日本で田んぼに行って田植えをしたいという体験型ツアーが人気なのは、私は仕事で上海などへよく行くのですが、上海は東京に引けも取らぬ大都会だからです。
ここで育った若い方や子どもたちは、日本の農村に来て田植えを体験するのが誠に楽しいということで喜々として田んぼに入っています。このように、以前では考えられなかったような観光の仕方が出てきております。
それから、アジアの地区は、皆さま方もあまり想像がつきにくいと思うのですが、富裕層の方が大変増えてきております。
こういった富裕層の方々が日本に2度目、3度目の観光をするとなると、しばらく滞在して日本を楽しもうという動きも出てきます。
今はどうしても、アジアから来られるお客さまは1~2泊で帰ってしまわれる方が多いのですが、今言ったように、地方に行って田植えをしたり、あるいは日本の秘境に行ってみたいということになれば、宿泊日数もプラス1泊、2泊という感じで、最終的に消費額の増加につながったり、消費内容がより高度化したりする効果が期待できるわけです。
このように、ここ数年で急速にインバウンドが増えてきた日本ですが、世界的に見て日本のインバウンドの数がどのぐらいの位置にあるか、2014年のデータで世界順位を見ると、日本はまだまだインバウンドの後進国であります。