訪問看護師の拡充-在宅ケアの担い手の整備は進むか?

2016年07月26日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

日本では、高齢化が進み、高齢者への医療・介護の提供の枠組みが整備されつつある。病院中心の医療から、在宅や介護施設での医療・介護へという、地域包括ケアシステム確立の動きである。その中で、看護師も、在宅や介護施設に訪問して、看護を行うよう役割が拡大するであろう。

しかし、訪問看護師が全体に占める割合は、まだ限られている。そこで、本稿では、訪問看護の現状を俯瞰し、その上で、看護師の拡充に向けた取組みを見ていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――訪問看護の現状
  1|訪問看護事業は、医師の指示に基づいて行われる
  2|訪問看護の利用者は伸びている
  3|訪問看護ステーションや訪問看護師の数は徐々に増加している
  4|規模の小さいステーションは経営が厳しい
3――今後の訪問看護
  1|看護師の需給は、地域医療構想策定の大きな眼目の1つとされている
  2|現在、看護師全体に占める訪問看護師の割合は、2%に過ぎない
  3|病院看護師に比べて、訪問看護師には仕事のやりがいがある
  4|訪問看護師を増やすためには、教育・研修面の整備が必要
  5|看護師等免許保持者の届出制度が始まっている
4――おわりに (私見)
 

1――はじめに

1――はじめに

日本では、高齢化が進み、高齢者への医療・介護の提供の枠組みが整備されつつある。これまでの病院中心の医療から、高齢者の生活する地域で、自宅や介護施設での医療・介護サービスを充実させるべく、地域包括ケアシステムを構築する、という動きである。それに伴い、医療・介護サービスを担う人材も、地域での活躍が求められることとなる。その中で、看護師も、病院や診療所で患者の看護をするだけではなく、高齢者の自宅や介護施設を訪問して、看護を行うよう、役割が拡大していく。

しかし、訪問看護師が、看護師全体に占める割合は、まだ限られている。そこで、本稿では、訪問看護の現状を俯瞰し、その上で、看護師の拡充に向けた取組みを見ていくこととしたい。
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