ひとえに、サーブ権といっても、実は球技の種類によって、そのルールやゲーム(ポイント)の与え方については一律ではない
1。
例えば、テニスは、サーブはゲーム単位(1ゲームは4ポイント先取制、お互いに3ポイントで同点になったときは「デュース」となり、 そのあと2ポイント差がつくまでゲームは行われる)で1人の選手に与えられる。1ゲーム毎にサーブ権が交代し、1セットは6ゲーム先取となっている。
卓球は、サーブ権が1人の選手に2本ずつ、交互に与えられる。以前は5本ずつであったが、2001年に1ゲーム21点制から11点制に変更された時に、2本ずつとなっている。なお、卓球では、セットにあたるものがゲーム、ゲームに当たるものがポイント(点)となっている。
バレーボールでは、サーブ権は得点を挙げたチームに与えられる。従って、得点を挙げ続ける限りにおいては、何回もサーブを続けることになる。なお、以前は「サイドアウト制」(サービスポイント制)といって、サーブ権を有しているチームのみが得点できる制度を採用していたが、1999年から「ラリーポイント制」といって、サーブ権に関係なく得点できる制度に移行している
2。また、1セットは25ポイント(第5セットのみ15ポイント)制となっている。
バドミントンも、以前はサービスポイント制を採用していたが、バレーボールと同様に、2006年10月から、1ゲーム21点先取のラリーポイント制を採用している
3。なお、バドミントンでも、セットにあたるものがゲーム、ゲームに当たるものがポイント(点)となっている。
なお、いずれの球技においても、セット(ゲーム)を取得するためには、相手に対して2点差を付けている必要がある。
こうして述べてみると、昔自分たちが若いころにプレーしていたときと比べて、サーブ権交代に関わるルールも大きく変わったものだと改めて認識させられる。
1 なお、テニス、卓球、バドミントンでは、ダブルスもあり、その場合にはルール等も異なり、チームという概念で捉える必要が出てくる場合もあるが、以下では、基本的にはシングルスを想定して記載している。
2 これは、「サイドアウト制」だと、得点の加算に時間がかかり、その予測も困難だったことから、テレビの放映時間内に試合を終了させることを主な目的として、変更されたとされている。
3 現在、サービスポイント制を採用している例としては、スカッシュにおいて、3ゲーム方式で、1ゲームを9点先取とする場合に、サーブ権がある場合のみにポイントが取れる方式(ハンドアウト方式と呼ばれている)がある。ただし、正式な試合は、5ゲーム方式で、1ゲームを11点先取とするラリーポイント制で行われている。