2|ブランド・ガイドラインの概要
インスパイア・プログラムでは、非営利団体が事業を実施することを前提に、マークの使用方法を中心にガイドラインが作成されていた。それに対しフェスティバルでは、ブランド・ガイドラインというタイトルが示すように、エンブレムなどのデザインアイテムの使用方法だけではなく、フェスティバルとしてのブランドをどのように戦略的にプロモーションするかという、より積極的な視点からガイドラインが作成されている。フェスティバルとしてのイメージや雰囲気(look and feel)をアピールするために、チラシやプログラム、ウェブサイトなどの広報ツール、あるいはイベント会場の飾り付けなどでエンブレムやデザインアイテムをどのように使用すべきか、大会スポンサー以外の既存スポンサーが支援する文化事業の場合はその使用にどのような制約があるか、が示されている。
[London 2012 Festival Emblem(フェスティバル・エンブレム)]
ロンドン2012大会のエンブレムのシルエットをベースにしたこのマークは、基本的に次の「認証の翼」の中にレイアウトされた他、文化施設や芸術団体のシーズン・プログラムなどの中では、どれがフェスティバルの事業かを示すために使われた。
14 ロンドン2012フェスティバル・チームのメンバーへの取材に基づく。 15 LOCOG, London 2012 Festival Brand guidelines for Partners 16 shardには「(甲虫の)翅鞘(ししょう):カブト虫などの外側の固い翅(はね)」という意味があり、実際の形が翼に似ているため「認証の翼」と訳した。 17 大会スポンサーのうち、BMW、ユーロスター、フレッシュ・フィールズ(英会計事務所)、パナソニック、サムスンもフェスティバル・サポーターという位置づけで文化オリンピアードを支援したが、この白いスペースには掲示されていない。