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東証の上場維持基準の適用が本格化~基準未達企業の対応状況~

2025年08月28日

(森下 千鶴) 株式

■要旨

2025年3月に経過措置が終了し、新しい上場維持基準の適用が本格化。
 
同年8月20日時点で、上場会社3,800社のうち217社(全体の6%)が基準を下回っている。
 
市場別では、プライム・スタンダード市場で流通株式時価総額基準の未達が多く、グロース市場では時価総額基準が中心。
 
基準未達企業の対応策としては、業績改善や株主還元強化のほか、市場区分の変更、地方取引所への重複上場、さらにはMBO・親子上場の解消を通じた非公開化など多様な選択肢がある。
 
新しい上場維持基準は企業に負担を強いる側面を持つ一方、「上場企業として最低限の姿」を明確化。企業行動の変化を促し、資本効率改善や事業再構築を通じて、投資家との信頼関係強化につながっていると考える。

■目次

1――はじめに
2――新規上場基準と上場維持基準を原則共通化
3――基準未達から上場廃止までのプロセス
4――上場維持基準を下回っている企業は約200社
5――基準未達企業の対応状況
6――まとめ

金融研究部   研究員

森下 千鶴(もりした ちづる)

研究領域:医療・介護・ヘルスケア

研究・専門分野
株式市場・資産運用

経歴

【職歴】
 2006年 資産運用会社にトレーダーとして入社
 2015年 ニッセイ基礎研究所入社
 2020年4月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)

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