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パワーカップル世帯の動向(3)住まいと資産~首都圏6割、金融資産4,000万円以上が35%

2025年11月18日

(久我 尚子) ライフデザイン

■要旨
 
  • ニッセイ基礎研究所の調査に基づき、パワーカップルの暮らしの実像を分析したところ、約6割が首都圏に在住し、東海・近畿を合わせた三大都市圏に8割強が集中していた。これは大企業や公務員など、制度環境の整った職場が都市部に集中していることが背景にある。
     
  • 住まいは、持ち家率が8割に達し、戸建てが半数強、マンションも3割弱を占める。40・50歳代中心という年齢構成や、多子世帯の多さなど、子育て環境の安定を求めるニーズが持ち家志向を支えている。
     
  • 世帯金融資産は2,000万円以上が過半数を占め、高い「稼ぐ力」が「貯める力」につながっている。家計管理では、「夫婦での共同管理」が約4分の1を占める。夫婦双方が一定の収入と資産を持つことで、それぞれの口座から必要な分を出し合うスタイルが可能になっていると考えられる。


■目次

1――はじめに~パワーカップルの経済力はどのように暮らしに反映されているのか
2――住まい~都市集中と持ち家志向
  1|居住地域~三大都市圏に8割強が集中、地方在住も1割強
  2|居住形態~持ち家率8割、戸建てが半数強でマンションも3割弱
3――世帯年収と金融資産~高い「稼ぐ力」と「貯める力」
  1|世帯年収~妻の年収700万円以上では、世帯年収1,000万円以上が約3分の2
  2|世帯金融資産~金融資産4,000万円以上が35%、高い「貯める力」
4――家計管理のスタイル~「共同管理」が約4の1、夫婦協働のかたちが広がる
5――おわりに~多様な暮らしを支える経済基盤

生活研究部   上席研究員

久我 尚子(くが なおこ)

研究領域:暮らし

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、マーケティング

経歴

プロフィール
【職歴】
 2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
 2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
 2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
 2021年7月より現職

・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)

【加入団体等】
 日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
 生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society

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