(3) トピック
Allianzの2025年における主な資本取引等とその概要は、以下の通りであった。
2025年2月27日に、Allianz SEは、最大20億ユーロ規模の自社株買いプログラムを発表した。このプログラムは2025年3月に開始され、遅くとも2025年12月末までに完了する。Allianz SEは買い戻した株式を全て消却する。
2025年3月17日に、インドの損害保険・生命保険合弁事業の26%の株式をBajaj Groupに総額約26億ユーロで売却する、と発表した。これによるIFRSベースの予想利益は約13億ユーロで、ソルベンシーIIへの影響は+6~7%ポイントとしている。
2025年3月19日に、Allianz、BlackRock、T&D HoldingsがViridium Group
8に投資し、GeneraliとHannover Reはそのまま投資を続け、コンソーシアムに参加する、Cinvenは10年以上の投資期間を経て撤退する、と発表された。取引額は約35億ユーロで、所有権はコンソーシアムのメンバーと金融投資家に分配され、T&D Holdingsが最大のシェアを取得する
9。なお、取引は、関係規制当局の承認等を経て、2025年後半に完了する予定としている。また、このコンソーシアムは、他の長期金融投資家の参加も可能な構造になっている。
2025年4月1日に、Allianz SEは、12.5億ユーロの劣後債(2035年までは4.431%で、その後は変動金利)の発行と、2025年に償還可能な15億ユーロの劣後債(2.241%)の一部買い戻しを完了したと発表した。
2025年5月23日に、Allianz SEは、15億ユーロの2.241%劣後固定変動利付債の償還を要求した。
2025年6月27日に、Allianz SEは、イタリアにおけるUniCreditグループとの生命保険合弁会社であるUniCredit Allianz Vitaの50%の株式のUniCreditへの約8億ユーロでの売却を完了したと発表した。この売却により約2億ユーロの利益が計上され、AllianzグループのソルベンシーII比率への影響は+約1%ポイントと見込まれている。
2025年8月26日に、Allianz SEは、12.5億ドルの制限付きTier1債の発行を完了したと発表した。
8 Viridium Groupは、ドイツのクローズドブック生命保険統合会社で、英国のPE会社Cinven、ドイツの再保険会社Hannover Re、イタリアの保険会社Generaliの合弁会社である。運用資産は670億ユーロ、340万人の保険契約者にサービスを提供している。ドイツの保険監督官庁であるBaFinは、2023年にイタリアでCinven所有のEurovitaが破綻したことを受けて、Viridium Group が問題を抱えた場合にCinvenが支援しないのではないかとの懸念から、2024年にViridium GroupによるドイツのZurich Life Legacyの買収を認めなかった。
9 T&D Holdingsは、2025年3月21日に、子会社のT&D United Capital(TDUC)のViridium Groupへの出資についてプレス発表をして、本取引完了により、TDUCはコンソーシアム投資家の中で最大となる 29.9%の持分を取得し、ViridiumがT&D Groupの持分法適用関連会社となる、ことを公表している。