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図表でみる世界の外為レート-世界各地の通貨をランキングすると、日本円はプラザ合意を上回るほどの割安で、人民元はさらに安い

2025年05月23日

(三尾 幸吉郎)

■要旨
 
  • 現在の日本円が割高なのか割安なのかを知るため、購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)を用いて定量的に計測してみた。その結果を見ると、日本円は2015年に割高から割安へ転じ、その後はさらに割安度を深め、現在(2024年)はプラザ合意(1985年)を上回るほどの割安状態なっていることが分かった。
     
  • この割高・割安分析を用いて世界各地の通貨を計算してみると、米ドルより割高なのはスイスとイスラエルだけで、その他はすべて割安である。プラザ合意時(1985年)と比べると、英国、ドイツ、フランスなどの通貨は当時より割安度が低い一方、日本、メキシコ、台湾、中国などの通貨は当時よりも割安度が高いことが分かる。
     
  • 最後に、割高・割安分析を用いて得られる副産物の一つをご紹介する。ここもと日本文化に対する関心が世界的に高まったことなどから、さまざまな国・地域から日本を訪れる観光客が増えて、日本人がビジネスや街角で接する場面も増えてきた。そこで、「世界各地では、日本で1万円の価値のある商品群がいくらで取引されているのか?」を作成してみた。


■目次

1――現在の日本円はプラザ合意を上回るほどの割安
2――世界各地の通貨の割高・割安度
3――おわりに
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