2|生計費指数(Living Cost Index)と消費者物価指数 (1)生計費指数について
消費者物価の計測については、(1)一定の効用水準を達成するための最小の費用として定義される生計費指数(Cost of Living Index、 COLI)を計測すべきか、(2)固定ウエイトでの財貨・サービスの価格指数(Cost of Goods Index、COGI)を測定するのか、という2つの考え方がある。
また,梅田(2009)によれば、G7諸国において消費者物価指数の測定の目的をCOLIとしているのは米国のみとされている。米国については、CPIのQ&Aにおいて、現行のCPIは消費者の幸福に影響を与える要因(政府または環境要因の変化)などを取り入れているわけではなく、「CPIは生活費に影響を与えるすべての要因を定量化しようとはしないため、条件付き生活費指数と呼ばれる(Since the CPI does not attempt to quantify all the factors that affect the cost-of-living, it is sometimes termed a conditional cost-of-living index.)」と説明されている。