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AXAは、世界の51カ国で保険事業と資産管理事業を展開している。
AXAは、これまで、中国、インドネシア、フィリピン、タイを「Asia High Potentials」として位置付けて、インドネシア、タイ、フィリピンでは既に高いプレゼンスを有してきた。さらに、メキシコとブラジルを「High Potentials」と位置付ける等してきた。
2023年は、「Driving Progress 2023」計画の終了と強力な変革の完了により、戦略サイクルの終わりを迎えた時期であり、過去数年にわたり、技術的リスクに再び重点を置き、XL社の買収を通じて大規模な企業リスクにおける世界的なリーダーシップを確立し、High Potentials市場での地位を強化してきた、と述べている。
なお、CEOのThomas Buberl氏は、AXAの生命保険ブック関連の活動が減少していると警告し、「AXAの変革はほぼ完了したため、これ以上のポートフォリオ取引はなくなるだろう。」と述べている。AXAは、これまでに240億ユーロの生命保険負債をオフロードしており、Athoraとの160億ユーロの契約を結んで、規制当局の承認を待っている状況にある。
また、AXAは、決算発表と同時に「Unlock the Future」と名付けられた、2024年から2026年までの3か年戦略計画を明らかにし、中核事業の成長と強化に焦点を当て、全ての事業にわたって、技術的及び運用上の卓越性を拡大することを目指していく、としている。
(1) 地域別の業績-2023年の結果-
AXAは、売上高を「保険料等(保険料及びその他の収入:Gross Written Premiums and Other Revenue)」、事業損益を「基礎利益(Underlying earnings Group share)」で説明しているので、次ページ図表にはこれらの数値も掲載している。なお、CSM残高については地域別には公表されていないため、図表には掲載していないが、グループ全体では、2023年末は33,976百万ユーロ(生命・医療保険33,770百万ユーロ、損害保険206百万ユーロ)、2022年末33,535百万ユーロ(生命・医療保険33,315百万ユーロ、損害保険220百万ユーロ)となっている。
自国のフランスの構成比は、多くの指標で3割弱程度となっている。自国以外の欧州では、ドイツ、スイス、ベルギー・ルクセンブルグ、英国・アイルランド、スペイン、イタリア等の主要国で有意な水準となっている。
米州においては、AXA Equitableの売却により、米国の生命保険及び貯蓄市場から撤退しており、AXA XLの損保事業が中心になっている。
アジア・アフリカ&EME-LATM(欧州・中東・中南米)の構成比は、保険収益、保険料等、営業利益、基礎利益、総資産では13%~19%、新契約価値では49%(2022年は47%、2021年は43%、2020年は40%)となっている。
なお、以前は補足資料で公開されていた主要国別の状況については、2023年は限定された形になっているため、各種数値は欧州におけるフランスとフランス以外でのみ示しており、その他の国々の内訳は保険料等のみで示している。