ドイツの責任準備金評価用最高予定利率を巡る最近の動き-DAV(ドイツ・アクチュアリー会)が2025年からの0.25%から1.00%への引き上げを推奨-

2024年02月26日

(中村 亮一) 保険計理

■要旨

ドイツの責任準備金評価用の最高予定利率(Höchstrechnungszinses:HRZ)を巡る動向については、これまで何回かの保険年金フォーカスで報告してきていたが、直近では、保険年金フォーカス「ドイツの責任準備金評価用最高予定利率が2022年から0.25%に-BMF(財務省)の決定内容と関係団体の反応-」(2021.6.1)において、財務省が0.9%から0.25%への引き下げを決定したことを報告した。これを受けて、2022年1月1日からの最高予定利率が0.25%に引き下げられたが、その後はこの水準が維持された形になっている。

その後、2022年に入ってから、欧米でのインフレ率の高まり等を受けての金利の上昇により、現在のドイツ10年国債の利回りは2%を超える水準にある。今回のレポートでは、こうした状況下での、ドイツの責任準備金評価用の最高予定利率を巡る最近の動きについて、報告する。

■目次

1―はじめに
2―責任準備金評価用最高予定利率設定ルール等の現状
  1|責任準備金評価用最高予定利率
  2|責任準備金評価用最高予定利率の意味合い
  3|直近の金利の状況
3―DAV(ドイツ・アクチュアリー会)の対応
  1|DAVの推奨
  2|DAVの最高予定利率の設定方法
4―保険業界団体GDVの反応
5―まとめ
レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)