年金基金規制の見直しの検討状況(欧州)-欧州委員会の要請を受けたEIOPAの勧告

2023年11月22日

(安井 義浩) 保険計理

■要旨

EUにおける年金基金の健全性の確保に関して、2023年9月28日に、EIOPA(欧州保険・企業年金監督機構)が、職域年金基金指令(IORP II)の今後の見直しの方向性について公表しているので、内容を紹介する。確定給付型から確定拠出型へのシフトの現状を反映すること、サステナビリティにも配慮すべきことなどが盛り込まれている。

■目次

1――年金基金の健全性規制の見直しの最近の動き
2――見直しの主要な項目
  1|プロポーショナリティ
  2|流動性リスク
  3|年金基金運営の確実な実施と、サービスプロバイダーとの利益相反の管理
  4|データの有効活用
  5|リスク評価の標準化
  6|国をまたがる活動と資金移動
  7|加入者と年金受給者への情報提供とその他の取扱い要件の改善
  8|確定給付年金から確定拠出年金へのシフト
  9|サステナビリティ
  10|ダイバーシティとインクルージョン
3――おわりに

保険研究部   主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任

安井 義浩(やすい よしひろ)

研究領域:保険

研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴

【職歴】
 1987年 日本生命保険相互会社入社
 ・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
 2012年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 ・日本アクチュアリー会 正会員
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)