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国・地方公共団体・企業等の取組みなど
11月5日やその前後の期間には、津波防災の意識の向上と、適切な避難行動の定着を目的として、毎年、国や地方公共団体あるいは企業等において様々なイベントや地震・津波防災訓練が行われる。
特に防災を担当する内閣府においては11月5日に講演等のスペシャルイベントが開催される
1。また日本各地において、地方自治体とともに防災訓練を実施する。
その他に、国の134の機関でも、シェイクアウト訓練、津波避難訓練、避難所の開設・運営訓練、職員の安否確認訓練、情報伝達訓練、パネル展示等が実施される予定とされている。
さらに地方公共団体(291)においても同様の訓練に加え、災害対策本部運営訓練、ワークショップ、シンポジウムなどが予定されている。
この中で「シェイクアウト訓練」というのは、耳慣れない用語かもしれないので補足する。
これは2008年に米国で始まった地震防災訓練であり、名前には「地震をぶっとばせ!」という意味が込められている。あえて日本語で意訳すれば「一斉防災訓練」となるらしい。
内容は、「命を守る3動作」~(1)姿勢を低くする(Drop)。(2)頭・体を守る(Cover)。(3)揺れが収まるまでじっとしている(Hold on)。~を1分間一斉に行うことである。
地震の際にケガをするのは、地震により移動した家具等によることが多く、この3点に気を付けることが重要なことから、ポイントを絞ったものとしている。
訓練は、あらかじめ決められた日時に、事前に参加登録した人たちが、放送塔などからの「訓練開始」を合図に、命を守るこの3動作を1分間行い、「訓練終了」の合図で終わる。誰でもどこでも気軽に簡単に行えるため参加もしやすい。
さて、企業等のレベルにおいても、43の企業や業界団体等において、シェイクアウト訓練、津波避難訓練、避難誘導避難、情報伝達訓練、社員の安否確認訓練等の実施が予定されている。
どんな企業等でも災害訓練は欠かせないものではあるが、こうしたイベントを行うのは、研究所、高速道路、鉄道、海運、電力、商工会、放送局などであり、特に人の集まる事象や比較的公共性の高い事業に関わる会社・団体が率先してこうしたイベントを行うことで、啓蒙活動や安心感のアピールになる点から、力を入れているようだ。
この機会にあわせて、防災に関してよく取り上げられる、2つの日「9月1日」と「1月17日」を紹介してみよう。
2――9月1日~防災の日と防災週間