出生率は1.36へ低下し、男性の平均寿命は85歳を超える見通し-新しい将来推計人口を読む(1) 少子化と長寿化の見通し

2023年04月27日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

4月26日に公表された新しい将来推計人口は複雑な結果となった。本稿では、このうち少子化と長寿化に着目して、推計の仮定や結果を確認する。

■目次

1 ―― 本稿の問題意識:複雑な将来推計人口を読み解く
2 ―― 推計の仮定
 :出生率は前回より低下し、長寿化ペースは男性で加速(女性は前回なみ)
  1|出生率の仮定
   :コロナ禍前から見られた低下傾向を反映して、前回より低下
  2|死亡率の仮定
   :男性の長寿化ペースが加速し、推計期間の更新で平均寿命は男女とも前回を超過
3 ―― 推計の結果
 :15歳未満は前回の標準ケースより微減、65歳以上は前回の長寿化ケースを超過
  1|15歳未満人口
   :前回の標準ケースを下回るものの、前回の少子化ケースほどの減少は回避
  2|65歳以上人口
   :25年後には前回の標準ケースを上回り、50年後には前回の長寿化ケースを超過
4 ―― 総括:少子化も長寿化も進行する見通し。対策を拡充する必要

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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