台湾問題で押さえておきたい中台の経済関係

2023年01月31日

(三尾 幸吉郎)

■要旨

台湾問題が世間で広く注目されるようになった。周知のとおり台湾有事のリスクは数十年前から高かった。しかし、中華人民共和国が台湾に軍事侵攻した場合、日本はどうしたらよいのか、どんな備えが必要なのか、日本人ひとりひとりが真剣に考えるようになったのは、今回が初めてではないだろうか。ロシアがウクライナに軍事侵攻したことで現実味が増したからだろう。台湾問題を議論する上では「一国二制度」や「軍事パワーバランス」の在り方に加えて、世界が台湾に依存し過ぎた半導体製造など経済安全保障上の問題もある。そこで本稿では、その根底にある中台の経済関係を紹介することとした。そして台湾の経済構造、台湾と中国本土の貿易関係、投資関係、人的交流に関する情報を概説している。

■目次

1――台湾問題を考える上で押さえておきたい中台の経済関係
2――台湾の経済構造~外需依存体質で、内需はやや弱く、製造業に強み
3――台湾と中国本土の貿易~両者は電気機器・部品などを盛んにやり取りする関係
4――台湾と中国本土の投資~台湾から中国本土への一方通行の色彩
5――台湾と中国本土の人的交流~平常時は日本と同等も、緊急時にはその重要性が垣間見られる
レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)