そして、中華人民共和国が建国100周年を迎える21世紀半ばには、現役世代2人で高齢者1人を支える社会となりそうである。国連経済社会局(DESA)人口部(Population Division)が発表した「世界人口予測2019(World Population Prospects 2019)」のデータを元に計算したところ[図表-4]、現在(2020年)は現役世代5.9人で高齢者1人を支える状況にある。しかし、2050年には現役世代2.3人で高齢者1人を支える状況になると見込まれている。振り返って見れば日本でも、1990年には現役世代5.9人で高齢者1人を支える状況にあったが、現在は現役世代2.1人で高齢者1人を支える状況に変化している。したがって、日本が1990年から現在に至る30年間に経験した高齢化過程を、中国はこれから30年間で経験することになると見込まれる。