北米の育児情報サイトであるBabyCenterが5,000人以上の保護者を対象とした調査
1によると、1歳の赤ちゃんの誕生日パーティーにかける金額は、50ドル以下から500ドル以上まであり、その内61%が200ドル以下、25%が200ドルから500ドル、11%が500ドル以上の予算を使っていたという。元々主に北米においては16歳のスウィート・シックスティーンをはじめ、18歳、21歳、50歳の誕生日にはマイルストーンイベント
2が開催されているが、1歳の誕生日もそれらのイベント同様に重要な位置づけとなりつつある。例えば2020年の夏にはニューヨークのパーティー企画会社ClafoutisによってワシントンDCの歴史的建造物であるアンダーソン・ハウスで1歳を祝うパーティープランが企画され、生花で花冠を作るブース、パントマイム、クレープステーション、敷地内の池で子どもたちが遊べる電動ミニボート、バルーンアーティストなど総額が10万ドル(1,000万円以上)を超えたという例もある
3。これは特殊な例ではあるが、同社の一般家庭向けの誕生日パーティーパックは$6,000(日本円で約60万円)が最低価格であり、一般家庭においても高い費用を払ってでも豪華なパーティーを企画したいと思う保護者のニーズがあることを垣間見ることができる。
他の調査も観てみよう。英国のソーシャルマネーアプリPingitが、1歳から18歳までの子どもを持つ親2,000人を対象に行った「誕生日パーティー費用の調査」によると、1歳の誕生日パーティーに平均して207ポンド(約32,000円)、5歳と10歳のパーティーでは160ポンド前後(約25,000円)、スイート・シックスティーンでは198ポンド(約30,000円)の費用をかけていたという。同調査によると、子どもの誕生日のための新しい洋服、装飾、パーソナライズされたケーキなどの準備のために、両親は通常、平均3カ月間貯金をしていることもわかっている
4。
また英国の節約情報サイトのvouchercloudが、18歳以上の英国人2,104人のうち、4歳から10歳までの子どもがいると答えた人を対象とした、「子どもにかけるお金の額について」の調査
5,6によれば、3分の2以上の親が、毎年子どもの誕生日パーティーを開いていることが明らかになっており、平均的な誕生日パーティーの費用は320.50ポンド(約50,000円)で、さらに誕生日プレゼントに175.80ポンド(約27,000円)が費やされていることがわかっている。単純計算でもパーティーの費用と誕生日プレゼントの総額は496.30ポンド(約77,000円)にもなる。なお調査対象の88%がパーティーを開く動機として、「子どもがパーティーが好きだから」、44%が「子どもがパーティーをしたいと言ってきたから」、38%が「子どもがより多くのプレゼントをもらえるから」と回答している。
北米の投資運用会社T. Rowe Price が8歳から14歳の子どもを持つ親1,086人に行った「Parents, Kids&Money Survey(2016)」
7,8では「子どもの誕生日パーティーで、過去12カ月に親がいくら使ったか」聞いたところ、対象者の33%が100ドル以下、26%が100~199ドル、18%が200~299ドル、23%が300ドル以上支払っていたことがわかっている。更に、「子どもの誕生日プレゼントに過去12カ月間にどれくらい使ったか」という項目においては31%が100ドル以下、28%が100~199ドル、17%が200~299ドル、24%が300ドル以上となっている。
では、子どもたちが大人になるまでにかかる誕生日パーティーの費用はどのくらいになるのだろうか。英国スーパーマーケットチェーンのASADが行った調査
9によると、平均的な英国の親は21歳までの子どもの誕生日パーティーに28,000ドル(約320万円)もの大金を費やしているという。養育費や学費以外にこれだけの金額が使われていると考えると、北米や英国の親は大変だなと、感じてしまうのは筆者だけだろうか。
3――日本の誕生日会は?