プラチナ価格は大化けするか?~既に6年ぶりの高水準に浮上

2021年05月07日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

3.金融市場(4月)の振り返りと予測表

(10年国債利回り)
4月の動き 月初0.1%台前半でスタートし、月末は0.0%台後半に。
前月末に示された日銀の国債買入れ減額方針を受けて、月初に0.1%台前半に上昇して始まったが、バイデン政権の掲げるインフラ投資計画実現の不透明感や過度の米緩和縮小観測の修正などを受けて低下し、7日には0.1%を割り込んだ。月半ばにかけて0.1%を挟んだ展開が続いた後、米国でのワクチン普及の遅れや日米と中国の関係悪化への警戒、新興国でのコロナ感染拡大などを受けて低下し、22日には0.0%台半ばに接近した。下旬にはFOMCを控えた量的緩和縮小言及への警戒、良好な米経済指標を受けた米金利上昇が波及する形でやや水準を切り上げ、月末は0.0%台後半に。
(ドル円レート)
4月の動き 月初110円台後半でスタートし、月末は109円近辺に。
月初、前月下旬の米金利上昇・ドル高の反動や、バイデン政権の掲げるインフラ投資計画実現の不透明感などから米金利低下・ドル安の流れとなり、7日には110円を割り込んだ。その後も米国でのワクチン普及の遅れやパウエルFRB議長による緩和長期化方針表明などを受けてドル安基調が継続。月の後半に入っても、日米と中国の関係悪化への警戒や新興国でのコロナ感染拡大などを受けてドル安が進み、23日には108円を割り込んだ。下旬にはFOMCを控えた量的緩和縮小言及への警戒に伴う米金利上昇や良好な米経済指標の発表を受けてドルが持ち直し、月末は109円近辺に。
(ユーロドルレート)
4月の動き 月初1.17ドル台半ばでスタートし、月末は1.20ドル台前半に。
月初、米金利低下・ドル安の流れを受けて上昇基調となり、6日に1.18ドル台を回復。さらにユーロ圏の経済指標改善が続いたことで、12日には1.19ドル台へ上昇した。その後もパウエルFRB議長による緩和長期化方針表明やEUによるコロナワクチンの追加調達を受けてユーロ高ドル安の流れが続き、19日には1.20ドル台を回復、29日には1.21ドル台を付けた。月末には良好な米経済指標の発表やポジション調整のユーロ売りが入り、1.20ドル台前半で終了した。
 
 

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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