2020年 年金改革の全体像と次期改革の展望

2021年01月19日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

2020年の年金改革は、同年3月3日に法案が国会へ提出された後、5月29日の参議院本会議で可決・成立した。新型コロナウイルスの影響で国会審議はあまり注目されなかったが、その前年(2019年)を思い起こすと、老後資金の2000万円問題や5年ぶりに公表された年金財政の将来見通し、働きながら年金を受け取ると減額される仕組み(在職老齢年金)を巡る混乱など、様々な点が話題になった。ただ、成立した内容は当初の案よりも後退しており、国会では次期改革に向けて、改正法附則の検討規定の追加や多数の附帯決議が行われた。

本稿では、2020年年金改革の全体像について背景や概要を振り返るとともに、残された課題を確認して次期改革を展望する。

■目次

1 ―― 2020年改革の背景
2 ―― 2020年改革の概要
3 ―― 次期改革の展望

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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