オルタナティブデータで見る不動産市場(2020年12月)-新型コロナ第3波に直面する宿泊・消費動向

2020年12月11日

(佐久間 誠)

■要旨

新型コロナウイルス感染の第3波が押し寄せるなか、「ヒトの流れ」が再び止まりだしている。
 
  1. NTTドコモのモバイル空間統計をもとに、東京都の流動人口を「生活」、「商業」、「オフィス」、「トラベル」の行動圏に分類して確認すると、11月以降は再び全てのエリアで落ち込みを見せ、12月9日時点では、前年同期比で減少率が大きい順に、トラベルエリア(▲42.1%)>オフィスエリア(▲31.7%)>商業エリア(▲24.7%>生活エリア(▲12.3%)となった。
     
  2. 宿泊動向は、10月から東京発着の旅行がGo Toトラベルの対象に加わった影響は大きく、特にその恩恵を享受できるエリアにおいて、大きく回復した。一方、11月以降は新型コロナの感染再拡大に伴い、回復が鈍化する可能性がある。
     
  3. モノ消費においては新型コロナ第3波の影響が依然として限定的である一方、コト消費では飲食店を筆頭に対面型サービスではその影響が顕在化している。一旦は落ち着いたeコマース需要は、足元で再び拡大を見せている。


■目次

1――はじめに
2――コロナ感染再拡大が影を投げかける宿泊動向
3――対面型サービスで感染再拡大の影響が顕在化し始めた消費動向
4――おわりに
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