在宅療養支援診療所の展開-24時間対応する医師の負担をどう緩和するか?

2020年04月08日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

高齢化の進展とともに、在宅医療のニーズが高まっている。これを受けて、在宅医療の仕組みは、徐々に整備されつつある。なかでも、在宅療養支援診療所(在支診)は、在宅医療の担い手として期待されている。しかし、その数は近年、一般診療所の10数パーセントにとどまっており、拡充の余地を残している。

本稿では、在支診の現状を概観し、今後のさらなる展開に向けた課題をみていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――在宅医療とは
  1|臨時往診は、入院医療や外来医療にとってかわられてきた
  2|定期往診は、1986年の診療報酬制度改正で確立された
  3|24時間対応により、患者や家族の不安を取り除くことが求められる社
3――在宅療養支援診療所の役割
  1|在支診は、在宅療養患者を一元的に管理する
  2|2012年には機能強化型の在支診、在支病が設けられ、評価の引き上げが行われた
  3|在支診と在支診以外では、評価に大きな差がある
  4|在支診の数は一般診療所の13%にとどまっている
  5|在支診以外の一般診療所も在宅医療を手掛けている
4――在支診では、24時間体制問題が伸び悩む原因
  1|24時間往診体制の整備は困難
  2|24時間体制の整備についての議論
5――在支病では、24時間体制問題に対して往診担当医師の自宅待機を可能とした
6――おわりに (私見)
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