前年と比較すると、EEAレベルでの移行措置無しでSCRを遵守していない会社の総数は6社減少し、2017年末の27社から2018年末には21社となった。移行措置無しでSCRを遵守するための適格自己資本の不足額は、2017年末の68.2億ユーロから2018年末の43.2億ユーロに25億ユーロ減少したが、英国がこの額の86%を占めた。
(5)NSAsによって取られる(ことが想定されている)監督措置
NSAsは、SCRを遵守するために移行措置に依存している会社に対して取った措置や取ることを想定している措置についての報告を求められ、以下のような様々なアプローチを報告している。
・会社のリスクを評価する際に、TTPの適用有無の両方のケースの会社のソルベンシーポジションを検討する。
・2つのNSAsは、作業計画の作成時に移行措置の影響が無い会社のリスクの水準を測定し、特にSCRを完全にカバーするために移行措置に依存している場合に、TTP又はTRFRを適用している会社のレビューを優先する。
・NSAsは、会社が、リスクを測定し、リスク選好度を定義するために適切な指標(即ち、移行措置無しで)を適用し、その戦略において、移行措置の適用を通じてのみSCRを遵守するという事実を考慮し、ソルベンシー問題に関してAMSB(管理・経営・監督機関)に明確で関連性のある情報を提示し、SFCR(ソルベンシー財務状況報告書)に関連情報を提供する、ことを期待している。
・あるNSAは、将来のソルベンシー状況を危険にさらす可能性があると考えられる場合、配当支払に同意しない。
・あるNSAは、移行措置に依存している会社数とSCRを遵守するために移行措置が必要とされる程度を定期的に市場に明示的に通知している。
・2つのNSAsが、移行措置の適用に関する期待を定める監督声明を伝達した。1つのNSAは、会社は、資本分配とTTPランオフを許可した後、一定の運用条件の下で資本ポジションが持続可能であることを実証できるはずであるという期待を含めている。
・あるNSAは、SCRを遵守するための技術的準備金に関する移行措置に応じて、会社に関する立入検査を行った。
・あるNSAは、措置を適用している全ての会社に対して、TTP控除の再計算を要求した。
NSAsは一般的に、会社がPIPに取り組んでいる手段を実施することを期待し、進捗報告書をレビューして移行期間中の進捗状況を監視すると報告した。必要に応じて、会社の代表者との詳細な議論のための規制会議が設けられる。NSAsは、PIP又は進捗報告書が不十分であり、この不十分さが修正計画によって修正されない場合、移行措置の取消が考慮されると報告した。
3―措置毎の国別の適用状況(適用会社及びSCR比率への影響等)