4|POSレジ
飲食店や小売店等で使うPOSレジにおいてもSaaSが登場している。POSレジとは、「何がどれだけ売れたか」といった販売情報を会計のタイミングで取得し、売上データとして集計・分析できるPOS(Point Of Sale)システムを搭載したレジスターのことである。リクルートグループ(以下、リクルートと称する)が提供する「Airレジ」は、iPadまたはiPhoneで使えるPOSレジアプリだ。会計や売上分析など、基本的なレジ機能が無料で使える。有料のレシートプリンターやキャッシュドロア(紙幣や硬貨を分別して入れる収納機器)等を購入して組み合わせれば、より便利に使うことが可能だ。また、有料のオーダーエントリーシステム「Airレジ ハンディ」を導入すれば、配席、注文、配膳、会計といった飲食店の一連のオペレーションをカバーできる。そして、「Airペイ」を導入すれば、専用のカードリーダー1台で主要クレジットカード、交通系電子マネー等によるキャッシュレス決済にも対応できる。同グループが提供する飲食店向け予約台帳・顧客管理アプリ「レストランボード」と連携させれば、顧客台帳に会計データを紐づけて蓄積できる。これまでアナログで管理していたものをデジタル化することで、面倒なレジ締め作業等の負荷が軽減し、売上データ等に基づいた経営判断が可能になる。
同グループでは、従業員のシフト管理を行う「Airシフト」、店舗の受付・順番待ちの管理システム「Airウェイト」等、事業者のバックオフィス機能をサポートするサービスの展開を進めている。株式会社リクルートホールディングスの開示資料12には、「今後は、当社グループが日本で全国的に展開する営業部門を通じて築いてきた企業クライアントとの強固な関係性を基盤に、中小企業のバックオフィス機能をサポートするSaaSソリューションの提供において、さらなる事業機会があると考えています。クラウドを活用したPOSレジ、予約管理、決済、人材マネジメントなど、小売店などの中小企業に提供しているさまざまな業務・経営支援サービスを、Air Business Toolsとしてより一体化し、既存広告事業とのシナジー効果を高めることで、メディア&ソリューションSBU13のさらなる成長に寄与します。」との記載が見られる。今後、成長戦略の一環として、SaaSビジネスの拡大を一層進めていくものと考えられる。