日銀のETF買いに異変?

2019年11月25日

(井出 真吾) 株式

■要旨
 
  • 日銀のETF(上場投資信託)買入政策が久しぶりに話題になった。11月13日と14日に株価がやや大きく下落したにもかかわらず、日銀がETFの買い入れを見送ったからだ。
     
  • 日銀は株価の下落率だけではなく、リスクプレミアムなどを総合的に判断して買入れを行っている。11月13日と14日は、PERが高い(=リスクプレミアムが低い)ため買入れを見送ったと推察される。
     
  • 今回の買入れ見送りは、「出口」と「コスト」を意識し、不必要なETFの買入れをおさえることで、今後も緩和を継続するための措置といえるだろう。

■目次

■日銀が買入基準を変更?
■市場がザワついたのも当然!?
■TOPIXの下落率だけで決めていない
■ETF買入れ政策の持続性を強化
■政策の持続性を強化

金融研究部   主席研究員 チーフ株式ストラテジスト

井出 真吾(いで しんご)

研究領域:医療・介護・ヘルスケア

研究・専門分野
株式市場・株式投資・マクロ経済・資産形成

経歴

【職歴】
 1993年 日本生命保険相互会社入社
 1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本ファイナンス学会理事
 ・日本証券アナリスト協会認定アナリスト

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)