1|保険会社のリスク分類
BaFinは、保険会社をいかに緊密に監督するかを定義するために使用するリスククラスに、監督する保険会社を分類して割り当てている。保険会社は、市場への影響と品質を反映する2次元マトリックスを使用してクラスに割り当てられる。生命保険会社や年金基金の市場への影響は、それらの総投資に基づいて測定され、健康保険会社、損害保険会社、再保険会社に関連するパラメータは、保険会社の総保険料収入となっている。
市場への影響は、「非常に高い」、「高い」、「中間」、「低い」の4段階のスケールで測定される。保険会社の質は、純資産、財政状態及び経営成績、成長と管理の質という要因の評価に基づいている。
BaFinは、保険固有の(主に定量的な)指標を使用して最初の2つの要因を評価し、定性的基準を使用して管理の質を評価している。評価システムは、個々の要因の評価を加算して、「A」(高品質)から「D」(低品質)までの4段階のスケールで全体的な評価を形成している。
2|リスク分類の結果
2018年12月31日時点のデータに基づく評価は、以下の通りとなっている。
BaFinは、リスク分類の目的で、保険会社の74.5%を高品質の範囲である「A」又は「B」に分類した。「B」と評価された会社の数がわずかに増加すると同時に、「C」と評価された会社の数は減少した。過去数年と同様に、BaFinは、市場関連性が高い又は非常に高い保険会社を低品質の会社としては評価しなかった。
保険事業の種類毎にみると、前年と比較して、健康保険会社又は損害保険会社においては大きな変化はなく、2018年の報告年度における高品質ブラケットの会社の割合は、損害保険会社では80%を、健康保険会社では70%を超えた。
一方、生命保険会社はわずかな改善を達成し、「B」と評価された生命保険会社の割合は、前年比で約5%増加し、同時に「C」と評価された割合は約5%減少し、殆どの会社は中品質の範囲に分類され続けた。
年金基金でも、品質評価の「C」から「B」へのシフトが観察された。
再保険会社も軽微な変化があったが、会社の約79%は引き続き高品質の範囲に分類された。
3|保険グループの分類
BaFinは、個々の保険会社に関連するリスクを分類するだけでなく、2018年のグループレベルでのグループ監督に責任があるソルベンシーIIの対象となる全ての保険グループも分類している。
個々の会社の分類結果の純粋な数学的な集計とは対照的に、この品質評価では、利益移転や管理契約などの追加の定性的及び定量的なグループ固有の入力を使用する。 年間のグループレベルのリスク分類は、保険グループの監督の重要性の高まりを反映しており、ソルベンシーIIの導入により更新及び拡張された。したがって、BaFinのグループレベルのリスク分類から得られるデータは、重要な付加価値を生成し、グループの全体的なポジションに関する集約された情報を提供している。
3―保険監督の優先分野