年金改革ウォッチ 2019年9月号~ポイント解説:オプション試算の年金財政への影響

2019年09月03日

(中嶋 邦夫) 公的年金

■要旨

1 ―― 先月までの動き

企業年金・個人年金部会では、個人型確定拠出年金(iDeCo)について企業型確定拠出年金のマッチング拠出との整理も含めて意見交換が行われた。また、年金部会では、2019年財政検証とオプション試算の結果が報告された。今後、来年度の法案提出に向けた具体的な議論が見込まれる。

2 ―― ポイント解説:オプション試算の年金財政への影響

先月の年金部会では財政検証結果やオプション試算(制度改正の選択肢の試算)が公表され、新聞等では主に生活者の観点から個人の給付水準への影響などが詳しく解説された。そこで本稿では視点を変え、年金財政の観点からこれらの結果を概観する。

 1|前提知識:「機械的に給付調整を進めた場合の給付水準」が財政指標
 2|オプションA(厚生年金の適用拡大):国民年金加入者の減少で基礎年金の水準が上昇
 3|オプションB(拠出延長と受給延期):年金財政への影響は限定的

保険研究部   上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任

中嶋 邦夫(なかしま くにお)

研究領域:年金

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度全般、家計貯蓄行動

経歴

【職歴】
 1995年 日本生命保険相互会社入社
 2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
 2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)

【社外委員等】
 ・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
 ・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
 ・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
 ・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
 ・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)

【加入団体等】
 ・生活経済学会、日本財政学会、ほか
 ・博士(経済学)

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