導入から間もなく3年、イールドカーブ・コントロールの功罪

2019年07月05日

(上野 剛志) 金融市場・外国為替(通貨・相場)

■要旨

日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、以下「YCC」と表記)を開始してから間もなく3年を迎えようとしている。この3年間の出来事やデータを振り返り、YCC政策の評価を行ったうえで、今後の行方を考えてみたい。

■目次

1―イールドカーブ・コントロールの効果と課題
  1|導入の経緯とその後の展開
  2|YCCの効果
   (1) オペレーション面:長期金利の操作に成功
   (2) 政策運営面:「量から金利へ」と操作対象の円滑な切り替えに成功
   (3) 経済への効果:実質金利押し下げ、緩和的な金融環境、円安圧力増幅
  3|YCCの課題と副作用
   (1) オペレーション面:金利低下時の対応に課題
   (2) 政策運営面:マネタリーベース拡大方針との兼ね合い
   (3) 経済への副作用:国債市場の機能度低下、金融機関収益圧迫、円高要因化も
2―まとめとイールドカーブ・コントロールの今後

経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志(うえの つよし)

研究領域:金融・為替

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴

・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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