1|カバード・アグリーメントとは
カバード・アグリーメントは、必要に応じて、再保険の消費者保護の担保要件などの、米国州保険法又は規制が米国以外の保険会社を米国の保険会社と異なる方法で扱う領域に対処するために、米国財務省及び米国通商代表部(USTR)事務所に待機権限を提供する。カバード・アグリーメントは、州法に基づく消費者に与えられた保護と実質的に同等の措置に関連する場合に限り、州法の優先権の基礎となることができる。
2|9月22日の合意について
2017年9月22日、米国財務省、USTR及び欧州連合(EU)は、正式にカバード・アグリーメントに署名したことを発表した。この合意では、州は5年以内に再保険担保を撤廃するか、又は優先権のリスクを負うことが求められる。代わりに、EUは、EU内で活動する米国企業に現地でのプレゼンス要件を課すことはなく、EUに拠点を置く米国企業に対しては、米国のグループ資本規制を事実上尊重しなければならない。
3|米国における再保険規制の現状
歴史的に、米国の州の保険監督当局は、米国以外の再保険会社に、米国の保険会社から想定されるリスクに対して100%の消費者保護担保を米国内に保有することを要求している。外国の再保険会社の規制当局と政治家は、この要件を他の目的のために利用可能な資本を減少させると主張している。州の保険監督当局は、州を超えての違いは、消費者保護担保責任の計画をより不確実なものとし、潜在的にはより高価にする、と認識している。そのため、NAICは、再保険者の財務力及びそれを監督する規制制度の質に相応して、消費者保護の担保要件を一貫した方法で削減するために、取り組んできた。
2011年、NAICは、再保険モデル法(#785)及び再保険モデル規制(#786)の改正を可決した。採択州では、認定外国再保険者は、米国の請求について100%よりもはるかに少ない消費者保護担保の差し入れが認められることになる。現在までに48州が、改正モデル#785とモデル#786を実施する法律を成立させ、2019年1月1日から認証要件
2となる。
(参考)2011年のNAIC再保険担保規制改革の概要
3,4
1.米国外の再保険会社は、一定の資本要件や報告要件を満たせば、再保険担保の減額(信用格付に応じ0%、10%、20%、50%、75%、100%の6段階)が認められる。
2.再保険担保減額の適用を受けるには、以下の2つの条件が満たすことが求められる。
1) 当該再保険会社の所在国(管轄区域)が、認定管轄区域(Qualified Jurisdiction:QJ)として認定されていること。
2) 当該再保険会社がモデル法導入州に申請し、信用リスクの審査を受け、再保険担保減額の適用が適切であるとの評価(認定再保険者(Certified Reinsurer)の認定)を受けること。