インド経済見通し~公共投資と農村部の回復で7%台半ばの成長を維持

2018年09月07日

(斉藤 誠) アジア経済

■要旨

インド経済は高額紙幣の廃止や物品・サービス税(GST)導入による景気停滞局面から脱し、消費主導の力強い成長軌道に戻ってきている。経済の先行きは、7-9月期までは昨年の景気低迷の反動から高めの成長が続き、その後はベース効果の剥落によって成長率が低下するだろう。しかし、来春に総選挙を控えるなかで公共投資と農村部の消費が拡大して成長ペースは7%台半ばで堅調を維持すると予想する。もっともインド政府の財政余力は小さく、不良債権問題を背景に設備投資の本格回復には時間がかかるため、モディ政権が狙う8%台の経済成長の達成は依然として見込みにくい。

■目次

 ・経済概況:消費主導の力強い成長軌道に
 ・経済見通し:年度後半に景気減速も7%台半ばの成長ペースを維持
 ・農村部の消費回復を左右するカリフ作
 ・(為替の動向)ルピー安が進行
 ・(物価・金融政策の動向)年内は物価安定、金融政策も据え置きを予想

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠(さいとう まこと)

研究領域:経済

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴

【職歴】
 2008年 日本生命保険相互会社入社
 2012年 ニッセイ基礎研究所へ
 2014年 アジア新興国の経済調査を担当
 2018年8月より現職

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