インド経済見通し~経済改革に伴う混乱を終え、巡航速度の成長ペースへ

2018年06月29日

(斉藤 誠) アジア経済

■要旨

インド経済は高額紙幣の廃止や物品・サービス税(GST)導入による景気の悪化から巡航速度の成長ペースまで回復してきた。経済の先行きは、4-6月期までは廃貨による景気低迷の反動から高めの成長が続き、その後はベース効果の剥落によって成長率が低下するだろう。しかし、投資の持ち直しにより成長ペースは7%台半ばで堅調に推移すると予想する。もっともインド政府の財政余力は小さく、不良債権問題を背景に民間投資の本格回復には時間がかかることから、モディ政権が狙う8%台の経済成長は難しいだろう。

■目次

・経済概況:高額紙幣廃止前の水準まで回復
・経済見通し:投資回復で7%台半ばの高成長が続く
・経済改革のプラス効果に期待、不良債権も縮小へ
・(株式・為替の動向)株高・ルピー安が進行
・(物価・金融政策の動向)インフレ警戒感が高まり、金融引締めを予想

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠(さいとう まこと)

研究領域:経済

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴

【職歴】
 2008年 日本生命保険相互会社入社
 2012年 ニッセイ基礎研究所へ
 2014年 アジア新興国の経済調査を担当
 2018年8月より現職

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