利回り低下が継続するヘッジ付き米国債

2018年03月12日

(福本 勇樹) 金利・債券

■要旨
 
  • ヘッジ付き米国債の利回りの低下傾向が継続している。
     
  • ヘッジ付き米国債の利回りが低下している原因は、米国債利回りは上昇しているものの、それ以上にヘッジコストが上昇しているためである。
    特に、FRBによる利上げによって短期金利が上昇し、米国債のイールドカーブがフラットニングしていることが影響している。
     
  • それに加えて、FRBによるバランスシート縮小によって、米ドルの短期金融市場において需給環境がタイト化している兆候が見られる。
    そのため、今後は、FRBの利上げによる内外金利差の拡大だけではなく、短期金融市場の需給環境と連動することの多い内外金利差以外の要因によってもヘッジコストが上昇していく怖れがある。

金融研究部   金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任

福本 勇樹(ふくもと ゆうき)

研究領域:

研究・専門分野
金融・決済・価格評価

経歴

【職歴】
 2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
 2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
 2021年7月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
 ・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)

【著書】
 成城大学経済研究所 研究報告No.88
 『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
  著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
  出版社:成城大学経済研究所
  発行年月:2020年02月

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