世界の多くの国で、円周率πは3.14と表記されることから、3月14日は「円周率(π)の日」とされている。π=3.14159……であることから、この日の1時59分か15時9分にお祝いが行われ、パイを食べたり、πについて議論したり、映画「π」
2を鑑賞したりして、祝うとされている。
米国の下院では、2009年3月に、3月14日を「円周率の日(Pi Day)」とし、学校でこの日を利用して、生徒に円周率について教え、「数学を学ぶ魅力を伝える」よう呼びかける決議案("Supporting the designation of Pi Day, and for other purposes.")が承認されている。その制定の趣旨は、以下の通りと規定されている。
・世界中の円周率の日の指定及びそのお祝いをサポートする。
・国立科学財団の数学と科学教育プログラムの継続的な重要性を認識する。
・学校や教育者が、生徒にπについて教え、彼らが数学の研究について従事する適切な活動を観測することを奨励する。
2015年は「円周率(π)の日」にとって特別な年であった。なぜなら、米国式の表示では3/14/15(月日年)等々となるため、この日の9時26分53秒はπの最初の10桁を表していた。
米国のMIT(マサチューセッツ工科大学)は、2012年から、その入学決定通知をオンラインで3月14日(Pi Day)のτ(タウ)
3時刻(Tau Time)(東部標準時間)(March 14, at 6:28pm EDT)に公表している。なお、τ(タウ)時刻としているのは、ライバル数であるπとτを平等に称えるためであるとしている。
なお、3月14日は、アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)の誕生日でもある。アインシュタインは米国のニュージャージー州プリンストンに20年以上住んでいたので、この日には、通常の円周率の日に関係するイベントに加えて、アインシュタインそっくりさんコンテスト(look-alike contest)等も行われるとのことである。
2 1998年に米国で製作された映画で、ダーレン・アロノフスキー監督による。1998年サンダンス映画祭最優秀監督賞や1999年インディペンデント・スピリット賞脚本賞を受賞した。常人離れした知能指数を持ち、世界を解明する究極の数字に取り憑かれた天才数学者マックス・コーエンを描いた異色のSFサスペンスである。男は自作のスーパーコンピュータを使ってカオス理論に基づいた株式市場予想の研究をしていたが、πの216桁の数字が持つ不可思議な魔力に取り付かれていくことになる。
3 τ(タウ)は、一部の研究者によって、円周率πに代わるべき定数として提唱されている数であり、円の半径に対する円周の比として定義されるもので、その値は2πに等しい。