中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
2―カバード・アグリーメントと今回の合意の内容
2017年9月22日
財務省、USTRは、EUとのプルデンシャルな保険及び再保険措置に関するカバード・アグリーメントに署名した
ワシントン - 米財務省とUSTRは、本日、EUとのプルデンシャルな保険及び再保険措置に関するカバード・アグリーメント(合意)に調印した。財務省とUSTRはまた、米国が合意の一定の条項の実施をどのように見ているかを明確にする政策声明を共同で発表した。
合意は、プルデンシャルな保険監督の3つの分野、すなわちグループ監督、再保険、監督当局間の情報交換に対応している。合意は、米国における保険事業の主な監督者としての州の保険監督当局の役割を含む、米国の保険規制制度を確認している。
Steven T. Mnuchin財務長官は、「広範な利害関係者の関与とレビューの結果、財務省はEUとのカバード・アグリーメントが、米国、米国の保険業界、米国の保険契約者にとって勝利であると結論付けた。」「規制上の明確さを提供し、規制上の負担を軽減することで、合意は、米国企業が、EU内でより競争力を高め、国内外の米国の保険会社や再保険会社の機会を増やし、持続的な経済成長という政府の目標を促進することを可能にする。」と述べた。
Robert Lighthizer USTR代表は、「EUとの合意は、米国保険業界に対して、公平な競争市場を確保し、それによりEUにおける米国の競争力を強化するものである。」「米国の政策声明と整合的に実施される合意は、国内外における消費者を保護し、米国の保険会社がEUの潜在的に過剰な規制要件への遵守を緩和することで、米国の利益を増進させる。」と述べた。
米国は、合意が実施される際に、米国保険会社、米国再保険会社、米国保険監督者、米国消費者、米国経済の利益を促進することにコミットしている。米国は、合意の実施の進展の上で、利害関係者と州監督当局との関与を継続する。
2017年9月22日
保険と再保険のプルデンシャル措置に関するEUと米国の二国間協定の今後の署名に関する共同声明
ワシントン/ブリュッセル - 米国とEUは、9月22日金曜日の午後に行われるプルデンシャルな保険と再保険措置に関するEU-US合意の来るべき署名を発表することを喜ばしく思う。両当事者は、2017年7月14日に同意書に署名する意向を発表した。
この合意は、保険及び再保険に関する米国とEUの協力の大きな前進を表しており、堅牢な消費者保護を維持しながら、規制の確実性を強化することにより、大西洋を横断して活動するEUと米国の保険会社及び再保険会社に利益をもたらす。
この合意は、米国にとってはドッド・フランク法の意味での「カバード・アグリーメント」であり、EUにとっては欧州連合機能条約第218条に基づく合意であり、プルデンシャルな保険監督の3つの領域:(1)再保険、(2)グループ監督、(3)監督者間の保険情報の交換、に対処している。
再保険に関して、合意は、お互いの市場で事業を行うEU再保険会社及び米国再保険会社に対する担保及び現地プレゼンス要件の廃止につながる。
グループ監督に関しては、この合意により、他の市場で営業している米国及びEUの保険会社は、自国の管轄地域の監督者による世界的なプルデンシャルな保険グループ監督の対象となる。
また、合意は、米国及びEUの保険監督当局が、米国及びEU市場で活動する保険会社及び再保険会社に関する監督情報を引き続き交換するように奨励している。このような監督当局間の情報交換を支援するため、合意にはモデル情報共有覚書規定が含まれている。
米国とEUは、合意により設立された合同委員会を含む、合意の実施の成功を期待している。この合意は、米国及びEUの保険の消費者ならびに両市場で事業を行う米国とEUの保険会社及び再保険会社にとって、有意義な利益をもたらす。当事者は、本合意に従って仮出願に移行する。欧州連合はまた、正式にこの協定を締結するために、EU機能条約に基づいてEU理事会と欧州議会を含む、必要な措置を講じる。