まちづくりレポート|住宅団地活性化なるか!-広島市戸建住宅団地活性化の取り組み

2016年11月29日

(塩澤 誠一郎) 土地・住宅

5――支援施策の具体的取組事例「毘沙門台団地」

1|取り組みの内容
安佐南区にある毘沙門台団地の毘沙門台学区社会福祉協議会が実施する事業である、「毘沙門台団地地域コミュニティ拠点整備事業」と「地域の交流・活動拠点を活用した子育て世帯の支援」は、2016年2月の募集で採択された。補助額はそれぞれ50万円と10万円である。

団地内にある、市が所有する旧消防職員待機住宅を活用して、地域住民の交流・活動拠点として整備し、運営する内容となっている。旧消防職員待機住宅は団地のちょうど中腹にあり、敷地面積2,268㎡、地上4階、地下1階建ての鉄筋コンクリート造で、延べ床面積1,838㎡、全24戸ある。これを市から無償で借り受けて、1階の4戸と屋外敷地を活用する。

1階には、主に高齢者を対象とした日中滞在型の遊び室、放課後の子どもの居場所、住民が交流するふれあいサロン、空き家に関する相談などの事業を実施する場所として改修を行う。建物の前庭部分は菜園として、団地住民が野菜や花を栽培する。これらの整備費の一部に"まるごと元気"住宅団地活性化補助金を充てる計画である。

社会研究部   都市政策調査室長・ジェロントロジー推進室兼任

塩澤 誠一郎(しおざわ せいいちろう)

研究領域:不動産

研究・専門分野
都市・地域計画、土地・住宅政策、文化施設開発

経歴

【職歴】
 1994年 (株)住宅・都市問題研究所入社
 2004年 ニッセイ基礎研究所
 2020年より現職
 ・技術士(建設部門、都市及び地方計画)

【加入団体等】
 ・我孫子市都市計画審議会委員
 ・日本建築学会
 ・日本都市計画学会

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