ヘッジ付き米国債利回りが一時マイナスに-為替変動リスクのヘッジコスト上昇とその理由

2016年10月25日

(福本 勇樹) 金利・債券

■要旨
 
  • 米国10年国債を為替予約(3ヶ月)で為替変動リスクをヘッジしたときの運用利回りが2016年9月末にマイナスになった。利回り低下の主な要因は、為替変動リスクのヘッジにかかるコスト(ヘッジコスト)の上昇にある。
     
  • ヘッジコストの上昇の原因は、内外金利差の要因と内外金利差以外の要因の両方にある。
     
  • 米国短期資金市場のストレスが日本と比べて相対的に高まっており、その結果として内外金利差が拡大し、内外金利差以外の面でも追加コストを支払う必要が出てきている。
     
  • 米国短期資金市場のストレスが相対的に高まっている理由は、日米の金融政策と違いと米国における金融規制の強化が影響しているものと考えられる。

■目次

1――ヘッジ付き米国10年国債利回りが一時マイナスに
2――ヘッジコストが上昇している理由

金融研究部   金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任

福本 勇樹(ふくもと ゆうき)

研究領域:

研究・専門分野
金融・決済・価格評価

経歴

【職歴】
 2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
 2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
 2021年7月より現職

【加入団体等】
 ・日本証券アナリスト協会検定会員
 ・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
 ・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)

【著書】
 成城大学経済研究所 研究報告No.88
 『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
  著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
  出版社:成城大学経済研究所
  発行年月:2020年02月

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