中村 亮一()
研究領域:保険
研究・専門分野
関連カテゴリ
2―低金利環境下における生命保険会社の状況
低金利はまた、保険会社、特に生命保険会社を圧迫し続けている。投資のリターンが連続して下落している。2011年には、ZZR(Zinszusatzreserve:追加責任準備金)が、この傾向を相殺するためのツールとして設立された。それ以来、生命保険会社は、持続的な低金利に対して備えるために、また保険契約者に与えた保証の履行を確実にするために、追加の準備金を認識することが要求されてきている。したがって、BaFinは、原則としてZZRの目的を疑問視していない。
しかしながら、金利はさらに低下してきたので、ZZRは急速に増加し続けている。2015年単独で、保険会社はこの準備金の積立に€100億以上を費やし、準備金は2015年末に合計€320億となった。さらに、急激な増加が来るべき年で想定されている。BaFinは、セクター全体及び個々の会社の両方におけるこの進展を観察している。必要が生じた場合、ZZRが適切に較正されているかどうかを検証する。
しかし、法的枠組みの変更だけでは十分ではない。生命保険会社が保証債務を満たすことができるように、生命保険会社自体が、初期の段階で可能な全てのことをしなければならない。ソルベンシーIIの下での市場整合的な評価は、低金利環境でどのような努力が必要とされているのかを明らかにしている。
新しいフレームワークは、経過措置が含まれているが、それらは問題を解決するのではなく、むしろ少しより多くの時間を与えるだけである。
BaFinは、その業績が中期的に疑問を提起する会社のために、マンツーマンカバレッジを提供する。BaFinはまた、生命保険会社に対して、遅くとも16年後に終わる経過措置が無くなった場合に向けて、どのように十分な資本基盤を確保しようとしているのかについて質問する。
どのようなオプションが生命保険会社に利用できるのか? 彼らは、例えば、コストを削減し、再保険ソリューションを考えることができる。彼らは商品ポートフォリオに取り組み、異なる保証付新商品を開発することができる。一部の会社は、完全に伝統的な保証商品を販売停止している。さらには、決済のためのプラットフォームを流出させるために、ポートフォリオの一部の移転を検討している会社もある。これは、保険契約者の利益が維持される限りにおいて、原則的にはオプションである。