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タイの生命保険市場(2024年版)

2025年09月16日

(斉藤 誠) アジア経済

■要旨

2024年のタイ生命保険市場は元受収入保険料が前年比3.1%増の6,530億バーツとなり、名目GDP成長率と同程度の安定した拡大を示した。

高齢化に伴う医療ニーズの高まりや年金・終身保険への関心が需要を押し上げ、医療保険や重大疾病保険が人気を集めた。商品別では普通保険、ユニット・リンク、年金保険が伸びた一方、団体保険や簡易保険は減少した。

販売チャネル別に新契約保険料をみると、エージェントが7年ぶりに過去最高を更新した。デジタルやその他の新しい販売チャネルも拡大したが、依然としてシェアは限定的である。

会社別に新契約保険料をみると、AIAが首位を維持、Muang Thai Lifeが銀行窓販の好調で2位に浮上するなど順位に変動がみられた。

運用面では公共債の比率が増加し、収益は前年比2.8%増。収支では経常収益が過去最高を更新したものの、事業費の増加等により経常利益は5.7%減少した。

2025年は医療・年金保険が引き続き生保市場のけん引役となる一方、世界貿易減速や関税の影響から貯蓄型保険は伸び悩むだろう。

■目次

1―市場概況
2―保険商品別の販売動向
3―販売チャネル別の販売動向
4―会社別の販売動向
5―資産運用状況
6―収支動向
7―まとめと今後の見通し

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠(さいとう まこと)

研究領域:経済

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴

【職歴】
 2008年 日本生命保険相互会社入社
 2012年 ニッセイ基礎研究所へ
 2014年 アジア新興国の経済調査を担当
 2018年8月より現職

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