なお、CSM残高は、2024年末に96億26百万ポンド、2023年末に84億18百万ポンド、2022年末に69億32百万ポンド(再保険控除後では、2024年末に77億72百万ポンド、2023年末に72億48百万ポンド、2022年末に64億80百万ポンド)となっている。
(2) 地域別の業績-2023年との比較-
保険収益は12%増加して、207億47百万ポンドで、IWR事業、英国&アイルランド(損保)及び国際投資において、二桁進展した。なお、Avivaは、売上高の説明に、保障・医療保険ではAEP(年換算保険料相当額)、退職ではPVNBV(新契約保険料現在価値)、損害保険ではGWP(収入保険料)を使用している。
具体的には、保障のAEPはAIGの英国保障事業の買収完了により、42%増加して3億75百万ポンドとなった。医療の保険料は好調な新契約と価格設定活動を反映して二桁進展となったが、AEPは8%減少して1億.38百万ポンドとなった。退職のPVNBVは2023年の71億ポンドから大幅に増加して2024年は94億ポンドとなった。
英国&アイルランド(損保)のGWPは為替固定ベースで16%増加して76億99百万ポンドとなった。カナダの損害保険のGWPは為替固定ベースで11%増加して45億5百万ポンドとなった。
営業利益は20%増加の17億67百万ポンド(2023年:14億67百万ポンド)となった。これは主に英国&アイルランド(損保)、IWR、Aviva Investorsの成長とコーポレート・センターなどのコスト低下によるもので、カナダにおける悪天候の影響で一部相殺された。
IWR事業の営業利益は、8%増加の10億71百万ポンド(2023年:9億94百万ポンド)となった。保障、医療、退職での増加は主に、昨年と比較したCSMリリースの増加、保障と医療での死亡率の改善、及び退職での年金事業を支える資産収益率の向上による。ウェルスの営業利益も、Workplace、Platform、Advice
21での収益増加により増加したが、将来の成長を支えるためのDirect Wealth計画への投資により一部相殺された。
英国&アイルランド(損保)の営業利益は、好調な業績を反映して、57%増の7億8百万ポンド(2023年:4億52百万ポンド)となった。これは、特に利益率の高いリテール事業での好調な取引、引受規律への継続的な注力、効率性の向上により、引受業績が好調だったことによる。営業利益は、英国事業の規模の拡大に伴う投資資産の増加を反映した投資収益率の向上からも恩恵を受けたが、発生保険金の割引の巻き戻しの増加により相殺された。
カナダの損害保険は、天候関連の大災害損失の増加、前年の好結果の反転、及びインフレによる保険金請求額への影響を反映した引受業績の低下により、28%減少の2億88百ポンド(2023年:3億99百万ポンド)となった。
Aviva Investorsの営業利益は、AUMが112億ポンド増加した(平均AUMでは80億ポンド増加して2,330億ポンドになった)ことによる収益の増加を反映して、インフレによるコスト増加により部分的に相殺されたものの40百万ポンド(2023年:21百万ポンド)となった。
国際投資の営業利益は、2024年3月のシンガポール事業の売却により、同事業からの貢献が減少したことにより、48百万ポンド(2023年:63百万ポンド)に減少した。
その他のうちの、コーポレート・センターのコストとその他の業務は、主にプロジェクト支出の減少により、47%減少して1億15百万ポンド(2023年:2億15百万ポンド)となり、グループ負債コストとその他の利息は、2024年7月の劣後債務の償還に先立ち、2023年11月に新たな劣後債務が発行されたため、2億73百万ポンド(2023年:2億47百万ポンド)に増加した。
なお、新契約価値は、IWRでは7%増加して8億39億ポンドとなったものの、シンガポール事業の売却により、全体では2%の進展となった。