FSOC(金融安定監督評議会)が金融安定性リスクに関する分析FWとノンバンクSIFI指定に関するガイダンスを最終決定

2023年11月27日

(中村 亮一) 保険計理

■要旨

米国におけるノンバンクSIFIs(systemically important financial institutions:システム上重要な金融機関)の指定を巡る問題については、これまでも何回かのレポートで報告してきた。直近では、FSOC(Financial Stability Oversight Council:金融安定監督評議会)が、2023年4月21日に「金融安定性リスクに関する分析フレームワーク」の提案、及び「ノンバンク金融会社 の決定に関する解釈ガイダンス」の新たな提案をパブリックコメントのために公表したことを受けて、基礎研レポート「FSOC(金融安定監督評議会)がノンバンクSIFI指定に関する解釈ガイダンスの改定等を提案―ノンバンクSIFIの指定復活の動き-」(2023.6.7)(以下、「前回のレポート」という)で、その概要について報告した。そのレポートで報告したように、このFSOCの提案は、2019 年以降、実質的に廃止されていたノンバンク金融会社に対するSIFIの指定の復活を求める協議となっており、パブリックコメント期間は、連邦官報での公開後60日間となっていた(なお、分析フレームワークについては、見直し及びコメントのための追加的な時間を求めるパブリックコメントの要請を受け、2023年7月27日まで30日間延長された)。

FSOCは、2023年11月3日に、これらの提案に対するコメントを受けて、若干の修正を行いつつも、実質的には4月に提案されたものと同じ内容を最終決定した。今回のレポートでは、この最終決定の内容及びその影響等について報告する。なお、今回のFSOCの最終決定に至るまでの、ノンバンクSIFI指定を巡るこれまでの経緯やノンバンク金融会社を巡る規制強化の背景等については、前回のレポートで説明しており、今回のレポートでは触れていないので、これらについては、前回のレポートを参照していただきたい。

■目次

1―はじめに
2―今回のFSOCの最終決定の概要―前回の提案からの変更点を含めて-
  1|分析フレームワーク
  2|解釈ガイダンス
3―新たな解釈ガイダンスの2019年の解釈ガイダンスからの主要な変更点
4―まとめ
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