汎欧州個人年金制度の開始-欧州の、公的年金、企業年金に次ぐ、3柱目の年金貯蓄手段

2022年04月27日

(安井 義浩) 保険計理

■要旨

欧州における退職後の資金準備としては、これまでに各国の公的年金、職業年金制度があったが、これら二つに加えて、三本目の個人年金制度「汎欧州個人年金商品(PEPP)の運用が、間もなく始められる。これは各国の個人年金に対し、一定の適格要件をみたしたものをPEPPと認めて、EU内での共通の取扱いやポータビリティを可能とし、統一された監督をも行なえるようにしたものである。

■目次

1――PEPPの開発の背景と経緯
  1|PEPPの年金制度における位置づけ
  2|PEPP開発の経緯
2――PEPPの特徴
  1|主に加入者側から見た特徴とメリット
  2|PEPPの提供者(プロバイダー)
  3|PEPPの提供者(プロバイダー)になることのメリット
  4|PEPPに対する税制優遇措置
3――PEPPの監督、EIOPAの役割
4――おわりに

保険研究部   主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任

安井 義浩(やすい よしひろ)

研究領域:保険

研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴

【職歴】
 1987年 日本生命保険相互会社入社
 ・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
 2012年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 ・日本アクチュアリー会 正会員
 ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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