2|Allianz
Allianzの2021年における主な資本取引等とその概要は、以下の通りであった。
2021年1月28日に、Allianz China Insurance Holdingが、中国で最初の完全に外資系の保険資産運用会社を設立するための承認を受けた。2021年2月5日には、Allianz China LifeがAllianz China Insurance Holdingの完全子会社となることを発表した。
2021年3月4日に、Avivaグループのイタリアの損害保険会社であるAviva Italia S.p.A.を買収することを発表した。なお、この取引は約3.3億ユーロ相当の価値があり、2021年10月1日に完了したと発表された。
2021年3月26日に、Avivaグループから、ポーランドにおける生命保険及び損害保険事業、年金及び資産管理事業を買収し、SantanderとのAvivaの生命保険及び損害保険の合弁事業の51%の株式を取得することに合意したと発表した。これは、25億ユーロに相当する取引である。これによりAllianzは、ポーランドでは、総保険料に基づいて、全体で5番目に大きい保険会社になり、生命保険セグメントで2位に上昇することが見込まれている。また、営業利益の面で中東欧において第2位になることが想定され、中東欧での主導的地位が強化されたと述べている。
2021年4月1日に、AllianzとMonument Reは、ベルギーでのAllianzのクローズド生命保険ポートフォリオの一部の売却を完了したと発表した。
2021年5月4日に、ケニアのJubilee General Insurance Limitedの過半数の株式の取得を完了したと発表した。
2021年7月1日に、Allianz AustraliaがWestpacの損害保険事業を買収する取引を完了し、Westpacの顧客に損害保険商品を販売するための20年間の独占契約を開始したと発表した。
2021年7月30日に、Allianz Insurance Asset Managementが、中国で最初の完全外資系保険資産管理会社になるための承認を受けたと発表した。
2021年8月5日に、Allianz SEが最大7億5000万ユーロの新株買戻しプログラムを決議したと発表した。
2021年9月30日に、Resolution Reが、Allianz Suisse Lifeの個人生命保険商品のレガシーポートフォリオ(準備金で約40億スイスフラン)の市場リスクと保険リスクを引き継ぐ革新的な再保険ソリューションに合意した、と発表した。
2021年10月25日に、Jubilee Insurance Company of Uganda Limitedの過半数の株式の取得を完了したと発表した。なお、この取引は、2020年9月にJubilee Holdings Limited (JHL)と締結した契約の一部である。また、ケニアの取引も完了し、タンザニア、ブルンジ、モーリシャスは、規制当局の承認を条件としてフォローしていくと述べた。
2021年11月17日に、Allianz China Lifeが、合弁会社から発展した中国で最初の100%外資系の生命保険会社になるための規制当局の承認を受けた、と発表した。
2021年11月30日に、2021年3月26日に発表されたポーランドとリトアニアでのAvivaの事業の買収が完了した、と発表した。
2021年12月3日に、米国の固定インデックス年金ポートフォリオ(350億ドルの負債)について、Resolution LifeとSixth Streetの関連会社との再保険契約を締結した、と発表した。この取引により、41億ドルの価値が解き放たれて、Allianzの規制資本が解放される。Allianz Lifeの株主資本利益率は、約6%ポイント改善して約18%になり、グループレベルでは、2021年9月末のプロフォーマベースでAllianzのソルベンシーII比率が約9%ポイント向上して216%になる、と予想されている。この取引は、2022年1月7日に完了したと発表された。
なお、Allianzは2022年に入ってからも、以下のような動きを見せている。
2022年1月4日に、Allianz Franceの貯蓄契約ポートフォリオ(ユニットリンク資産の60%で総額21億ユーロ)をCNP Assurancesに譲渡することを発表した。
2022年2月11日に、European Relianceの72%を2.07億ユーロ相当で取得する株式購入契約を発表した。統合された会社はギリシャでナンバーワンの損害保険会社になる、としている。
2022年2月17日に、最大10億ユーロの新しい株式買戻しプログラムを発表した。
2022年3月24日に、Allianz Ayudhya Capital PCL(AYUD)がAetna Thailandを買収し、タイの保険市場でのプレゼンスをさらに拡大すると発表した。
加えて、これらとは別にAllianz Groupのデジタル投資部門であるAllianz Xは、欧米のフィンテック企業等に積極的に投資を行っている。例えば、2021年9月16日には、28か国で活動する最先端のテクノロジー及びデータ駆動型自動車クレームソリューションプロバイダーであるGT Motiveに投資すると発表した。また、2021年11月9日には、CLARK
1 はAllianz Xポートフォリオ企業finanzen Groupを統合し、それによって世界最大の保険会社の1つになると発表した。Allianz Xは現金とCLARKの株式を受け取り、最大の少数株主になる。
1 CLARKは、2015年6月に、Christopher Oster博士、Steffen Glomb博士、Marco Adelt博士及びChrisLoddeによって設立された大手保険マネージャーで、顧客に保険契約をデジタルで管理、比較、改善する機会を提供している。