コロナ危機と世界金融危機におけるオフィス調整局面の比較-今回は賃料下落が小幅だが、構造的影響への懸念が強い

2021年11月12日

(佐久間 誠) 不動産市場・不動産市況

■要旨

コロナ危機によって東京オフィス市場は調整局面を迎えた。世界金融危機時のオフィス市場と比較すると、空室率は同様のペースで上昇しているものの、需給悪化がオフィス市場全体に及んだ前回と比べて賃料の下落圧力はあまり大きくなく、インパクトは小さい。一方、今回は在宅勤務が拡大したことで、オフィス需要が構造的に下方シフトするとの懸念が根強い。つまり、前回の世界金融危機では循環的な調整が大きかった一方、今回のコロナ危機では構造変化という不確実性が大きいと言える。

■目次

1――はじめに
2――コロナ危機は賃料下落が小幅で、エリア間格差が大きい
3――コロナ危機では在宅勤務拡大による構造変化への懸念
4――おわりに

金融研究部   主任研究員

佐久間 誠(さくま まこと)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場、金融市場、不動産テック

経歴

【職歴】  2006年4月 住友信託銀行(現 三井住友信託銀行)  2013年10月 国際石油開発帝石(現 INPEX)  2015年9月 ニッセイ基礎研究所  2019年1月 ラサール不動産投資顧問  2020年5月 ニッセイ基礎研究所  2022年7月より現職 【加入団体等】  ・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター  ・日本証券アナリスト協会検定会員

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