3|承認申請の実質的な審査はPMDAが行う
治験が終了し、申請資料がまとまると、厚生労働大臣の薬事承認を取得するための申請が行われる。通常、PMDAが実質的な審査を行うため、医薬品メーカーはPMDAに対して承認申請を行う。
PMDAは、申請資料の信頼性を確認しつつ、各領域の専門家からなる審査チームを構成して審査を進める。必要に応じて、外部専門家の意見も聴き、審査報告書を作成する。できあがった審査報告書は、PMDAから厚生労働省に提出される。
厚生労働省では、その審査報告書をもとに、薬事・食品衛生審議会で審議を進める。審議会の答申を踏まえて、最終的に、大臣が承認を行う。
4|製造販売後調査の結果をもとに再審査申請が行われる
医薬品は、承認を受けて販売された後にも、安全性確認のために「製造販売後調査」が行われる。実際に臨床医療で使用した医薬品について、副作用の発生状況などの安全性情報が収集される。
通常、薬事承認の際には、再審査期間が設定される。医薬品メーカーは、再審査期間の満了後に、製造販売後調査の結果をもとに、再審査申請を行う必要がある。
製造販売後調査は、「医薬品製品販売後安全管理の基準」(Good Vigilance Practice, GVP)と、「医薬品製造販売後調査・試験の実施の基準」(Good Post-marketing Study Practice, GPSP)という2つのルールに従って行われる。市販直後調査、使用成績調査、製造販売後データベース調査、製造販売後臨床試験に分けられる。
(1) 市販直後調査
販売後6カ月間、GVPのもとで、医療機関に対して確実な情報提供や注意喚起を行うこととあわせて、副作用などの情報を収集する。
(2) 使用成績調査
新規承認された医薬品に対しては、GPSPのもとで、投与された全症例について、副作用の発生状況や、有効性・安全性に関する情報を検出して確認することが求められる。使用成績調査は、「一般使用成績調査」、「特定使用成績調査」、「使用成績比較調査」に分けられる
13。このうち、特定使用成績調査は、 特定の患者(小児、高齢者、妊産婦、腎・肝機能障害を有する患者)や、長期間に医薬品を使用する患者を対象に行われる調査をいう。
13 一般使用成績調査は、医薬品を使用する者の条件を定めることなく行う調査。使用成績比較調査は、特定の医薬品を使用する者の情報と当該医薬品を使用しない者の情報とを比較することによって行う調査。