一方、新型コロナウイルス感染の第3波が拡大した11月以降、宿泊業は再び向かい風を受けている。政府は、札幌市と大阪市を目的地とする旅行をGo To トラベルから一時除外とし、出発に対して自粛を要請した。また、高齢者等に対して東京都を出発・目的地とする旅行を自粛するよう要請した。V-RESASにおけるヤフー・データソリューションのデータをもとに、検索サイトにおける「旅行・観光」に関する検索トレンド(検索数)を確認すると、10月第4週をピークに旅行に対する関心が低下しており、宿泊者数の回復も鈍化する可能性がある。
このように、モノ消費においては新型コロナ第3波の影響が依然として限定的である一方、コト消費では影響が顕在化している(図表5)。V-RESASにおけるRetty株式会社のFood Data Platformをもとに飲食店ページ閲覧数を見ると。コロナ禍で最も閲覧数が減少した5月第1週は、「すべての飲食店」が前年同期比▲77%となった。業態別では、「ファミレス・ファーストフード」が同▲46%、「居酒屋・バー」が同▲84%となった。閲覧数は緊急事態宣言が全国で解除された5月後半に底打ちし、6月から8月は「すべての飲食店」が概ね2割減~4割減、「ファミレス・ファーストフード」が1割減~2割減、「居酒屋・バー」が4割~6割減で推移した。10月からはGo To Eatが開始されたこともあり回復傾向となった。しかし、新型コロナの感染再拡大に加え、11月後半には同キャンペーンの予算616億円に到達したことで、予約サイトでのポイント付与が終了したため、11月第4週には、「すべての飲食店」が前年同期比▲24%、業態別では「ファミレス・ファーストフード」が同▲15%、「居酒屋・バー」が同▲37%、と再び落ち込んでいる。2020年11月の景気ウォッチャー調査(調査期間:11月25日~30日)では、景気の現状判断DIが7か月ぶりに悪化、先行き判断DIも4か月ぶりに悪化し、特に飲食の景況感の悪化度合いが大きかった。このところの感染拡大に伴う営業時間の短縮要請やGo to Eatの利用自粛などの影響が強く表れた模様だ5。