1|AXA
(1)基礎利益の構造
AXAは、生命保険事業の基礎利益(underlying earnings)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
2018年から2019年にかけて、米国のEquitableの売却に伴う影響により、グループ全体では、「付加保険料&手数料(Fees & revenues)
4」が6,854百万ユーロから4,402百万ユーロに35.8%減少(欧州とアジアだけでみれば、3,686百万ユーロから19.4%増加、以下同様)し、「技術マージン(Net technical margin)」が993百万ユーロから1,355百万ユーロに36.5%増加(1,274百万ユーロから6.4%増加)したものの、「投資マージン(Investment margin)」も2,515百万ユーロから1,930百万ユーロに23.3%減少(1,803百万ユーロから7.0%増加)した。一方で、「費用(Expenses)」も5,883百万ユーロから4,625百万ユーロに21.4%減少(3,824百万ユーロから20.9%増加)した。
そもそも、欧州、米国、アジアという大きな3つの地域における収益構造は、それぞれの地域における市場や販売商品の特性等を反映して、異なるものとなっている。
各地域において、付加保険料&手数料が最も大きな収益の源泉になっており、投資マージンについては、欧州ではウェイトが高く、米国でも高い水準となっていたが、アジアでは日本の影響でマイナスとなっていた。また、技術マージンについては、欧州では高く、アジアでも一定の水準を占めているが、米国では変額年金保証に関するマージンの影響でマイナスとなっていた。こうした収益構造から、2019年には米国の生命保険・貯蓄市場から撤退したことにより、グループ全体では技術マージンのウェイトが高まっている。