「年金巨額損失」というニュースの正しい読み方

2020年04月02日

(井出 真吾) 株式

■要旨

新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界中の株価が急落し、2019年度は年金積立金の運用が大幅な損失となった可能性が高い。国民の不安を煽る論調が増えそうだが、この損失が原因で年金が減らされたり、ましてや年金制度が破綻する心配などは不要だ。決して鵜呑みにしてはいけない。

◆ポイント
  1. 19年度は8兆円ほどの損失が見込まれるが、累計では約57兆円の黒字
  2. 株式の投資割合を増やしたことはプラス効果の可能性
  3. 年金支給に積立金はほとんど使われておらず、貢献度は100年先まで1割程度

金融研究部   主席研究員 チーフ株式ストラテジスト

井出 真吾(いで しんご)

研究領域:医療・介護・ヘルスケア

研究・専門分野
株式市場・株式投資・マクロ経済・資産形成

経歴

【職歴】
 1993年 日本生命保険相互会社入社
 1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
 2023年より現職

【加入団体等】
 ・日本ファイナンス学会理事
 ・日本証券アナリスト協会認定アナリスト

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