生活保護と医療・介護-被保護者の医療アクセスはどのように制限されているか?

2020年01月14日

(篠原 拓也) 保険計理

■要旨

近年、生活保護の受給が高水準で推移している。生活保護受給者にとって、病気や要介護状態になったときの医療扶助や介護扶助は、健康的な生活を維持するための重要な要素となる。

本稿では、生活保護と医療・介護の状況について、みていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――生活保護受給者の増加
  1|高齢者世帯を中心に、生活保護は高水準で推移している
  2|医療扶助と介護扶助で、生活保護費の半分を占めている
  (参考) 生活保護基準の内容
3――生活保護受給者に対する医療扶助・介護扶助
  1|生活保護受給者は、国民健康保険制度や後期高齢者医療制度が適用除外となる
  2|65歳以上の生活保護受給者は、公的介護保険制度に加入する
  3|医療扶助・介護扶助を受けるためには、申請や医療券・介護券発行など所定の
    手続きが必要
  4|医療扶助は指定医療機関での受診に限られる
4――生活保護受給者に対する医療の課題
  1|生活保護受給者に多い精神疾患への対策や、健康管理の推進が重要
  2|患者自己負担がないため、過剰診療を招きやすい
5――おわりに (私見)
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