地方都市のオフィス需要を牽引するコールセンター

2019年07月04日

(吉田 資) 不動産市場・不動産市況

■要旨
  • 近年、地方の主要都市では、旺盛なオフィス需要を背景に、まとまった空室を確保することが困難な状況が続いている。オフィス需要を押し上げている要因の1つに、活発なコールセンターの拠点開設が挙げられる。
     
  • そこで、本稿では、コールセンター市場の現状と今後について概観した上で、オフィス市場に及ぼす影響について考察した。
     
  • コールセンターは、「働きやすいオフィス環境の構築」や「BCP対策としての拠点分散」という観点から、引き続き地方都市のオフィス需要を底支えすると思われる。
     
  • ただし、人件費やオフィス賃料等の運営コストの増加に伴い、これまでの勢いで需要を牽引することは難しくなる可能性がある。また、AI等を活用した顧客対応の自動化が進むと、ビジネスモデルが大きく転換し、オフィス需要が減少することも想定される。

■目次

1. はじめに
2. コールセンターの拠点展開の状況
3. コールセンター業務のアウトソーシングの状況
4. オフィス市場に与える影響
  (1) 働きやすいオフィス環境の構築
  (2) BCPの観点からの拠点分散
  (3) 運営コストの増加に伴う経営環境の悪化
  (4) AI技術等を活用した顧客対応の自動化

金融研究部   主任研究員

吉田 資(よしだ たすく)

研究領域:不動産

研究・専門分野
不動産市場、投資分析

経歴

【職歴】
 2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
 2018年 ニッセイ基礎研究所

【加入団体等】
 一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)

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