「学校年度」というのは、いわゆる教育機関の1学年の年度を表す用語として、英語で言えば「school year又はacademic year」ということになる。「学年暦」という言い方もしている。
学校教育法に定められている「学校」(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)については、その設立について、監督庁の認可を受けなければならない。国立学校や公立学校の場合には、当然に国や地方公共団体の予算管理下にあるが、私立学校の場合も、「毎会計年度の開始前に収支予算を、毎会計年度の終了後二箇月以内に収支決算を監督庁に届け出なければならない」(学校教育法第15条)ことになっている。このように、学校の予算については、国や地方公共団体の会計年度とリンクした形になっている。
また、学校教育法施行規則第59条には「小学校の学年は、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。」と規定されており、中学校については第79条で、高等学校については第104条で、特別支援学校については第135条で、幼稚園については第39条で、それぞれ第59条を準用している。
従って、幼稚園、小学校、中学校、高等学校等の学校年度については、4月から3月までとなっており、たとえ私立学校であっても、自由に設定することはできない。
一方で、大学については、同じく学校教育法施行規則第163条に「大学の学年の始期及び終期は、学長が定める。」と、専修学校については第184条に「専修学校の学年の始期及び終期は、校長が定める。」と規定されている。
実際に、大学によっては、9月や10月からの入学(学年の初期)を認めているところもある。
なお、学校の会計年度については、私立学校法第48条には「学校法人の会計年度は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終るものとする。」と規定されており、国公立学校を含めて、4月から3月までに統一されている。
(参考)4月1日生まれの児童生徒の取扱
よく知られているように、4月1日生まれの児童生徒は、3月31日生まれと同じ学年となることから、学校年度は4月2日からではないかと思われる方もおられるかもしれない。これについては、「年齢計算ニ関スル法律」と民法第143条によりその考え方が示されており、「年齢計算ニ関スル法律」によれば、「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」となり、さらに「民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス」との規定から、民法第143条第2項の「週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。」ということになる。即ち、人は誕生日の前日が終了する時(午後12時)に年を一つとる(満年齢に達する)ことになる。このため、4月1日生まれの児童生徒は誕生日の前日である3月31日の終了時(午後12時)に満年齢が増加していることになることから、4月1日時点の年齢は、3月31日生まれまでの人と同じグループとなる。このため、4月1日からの学校年度にリンクした児童生徒の学年編成になっているということになる。
3―日本の教育機関の学校年度はなぜ4月から3月に設定されているのか